2015年12月07日
Category:製造過程・つれづれ

鱗鱗鱗〜ウロコロコロコ〜

 私たちマルコウ福原伸幸商店では、焼いて食べる一夜干し以外のすべての身欠きにしんを、ウロコを洗い落してから乾燥させております!!


 15年ほど前から。


 難しいのです。
 1枚も残すところなく全てのウロコを取り除くことは。
 水産加工の工程の中では、ほぼ不可能と言って過言ではありません。

 1枚でも残っていればウロコを取り除きましたという表現を、食品業界では使うことができないのです。


 これは、私たちのこだわりです。


 お客さんに手間をかけさせるようなことは、できることならばこちらで引き受ける。



 元来、身欠きにしんは「ウロコが付いているものが新鮮である」という見分け方をされてきました。


 これは、江戸時代中盤から北前船での交易が始まり、本州の山間部に主な消費地があるという「身欠きにしん」の特殊性に由来します。


 その昔、余市を含む北海道の日本海沿岸で大量のにしんが獲れた頃に製造したものは主に

 【本州への運搬用】
 @にしんかす・・・にしんを茹でて絞ったかす。肥料・飼料。
 A身欠きにしん・・・にしんを二枚に開いて乾燥したもの。食用。
 B干し数の子・・・数の子を天日干ししたもの。食用。
 Cにしん油・・・石鹸やグリセリンなどの火薬を作った
 
 【地域での消費用】
 1・すしにしん・・・にしんを塩と糠でつけこんだもの。糠にしん。
 2・にしん切りこみ・・・ぶつ切りのにしんを、塩と麹、唐辛子で漬け込んだ保存食。


 
 漁期が来ると、一気に大量に沿岸に押し寄せてくるにしんは、群れが後から先の集団を押し付けることによって、大量に浜に打ち上げられたりすることも多くあったと資料には書かれています。


 すごいですね(笑)


 にしんは不飽和脂肪酸やその他栄養素が多く、漁獲・水揚げされてからの鮮度落ちが比較的ゆっくりな魚です。

 
 とはいえ、その莫大な数のにしんを、鮮度保持したまま全てを捌ききるのは難しかったのでしょう。


 何日か置かれたにしんは、お互いに擦れ合って鱗がはげ落ちて、身も柔らかくもろい感じになっていきます。そのにしんは「ボーズにしん」と呼ばれ、鮮度落ちしたボーズにしんを身欠きにしんにするとウロコが無く、身が柔らかくボロボロで、腐敗したニオイがするようなものになってしまうことから

 「ウロコが付いているものが新鮮である」

 という伝承が、今でも残っています。


 私たちの「ウロコ洗い落とし」は、二百年近く掛けて受け継がれた鮮度判別方法に挑戦する取組なのですッッ!!!


 それを私たちは続けていますッ!!


 15年も。


 ウロコを取り除きました」というコトバを商品に使うこともできないままに。


 では見てみましょう。

 こちらが、カズノコを取り出した状態でのにしんです。

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 一匹をピックアップしてみましょう。

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 さらにそこからウロコを取り除いてみましょう。

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 ウロコがついたまま乾燥すると・・・このようになります。
 その結着力は並大抵ではありません。ウロコは乾燥し、薄いビニール片のような質感に変化します。

 このようになってしまうと、料理の際に水戻ししてもウロコを落とす作業がとてつもない重労働になります。

 もちろん、ウロコを落とさずに調理すると・・・

 にしんを食べるときに口の中がウロコだらけになってしまいます。


 それを仕方ないとするか、それが嫌でにしん料理を食べなくなるか・・・と言えば、僕はきっと後者の人の方が多いような気がします。


 正直言って、生産の過程でウロコを落とすという作業を組み込むことは非効率的ですし、1枚でも残っていればそれを商品にアピールできないとなれば、他の商品との差別化ポイントさえお客さんに伝わりにくいということになります。

 さらに、取り除いたウロコの分の重量が最終製品から少なくなるのですから、製造という観点から見れば・・・厳しいことばかりです。

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 しかし、そのひとつひとつのこだわりがお客さんに届くように、少しでもにしんの食文化を身近に感じてもらえるように、今日も心を込めてウロコを取り除いております。


 さてそんな僕が、ネットショップを開始するとしたら

 お客様のさまざまな声があろうかと思いますが、

 一番最初に商品リストに載せたいのは


 私たちのこだわり「ウロコを洗い落として製造している本乾みがきにしん」です。
 

 ネットショップ、もう間もなくお披露目できそうです。
posted by (有)マルコウ福原伸幸商店 at 15:14 | 製造過程・つれづれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2015年03月06日
Category:製造過程・つれづれ

販促シール

 販促(販売促進)について勉強してみると、さまざまな方法があるのですがやはり一番良いのはお客さんに面と向かって対話をすることということになります。


 ・この商品は何なのか?(魚の珍味ですよ〜)

 ・どのようなメリットがあるのか?(肉と比べて、ヘルスィ〜ですよ〜)

 ・似た系統の商品とはどう違うのか?(皮剥いて、短冊状にカットしてるから食べやすいですよ〜)

 
 etc.・・・ 


 ひとりひとりのお客さんにおススメ商品の解説ができる対面販売が理想ではあるのですが、昔の魚屋さんや八百屋さん(と言っても、僕ら40歳前後の世代でさえもその記憶は曖昧)のように「今日は何が新鮮」「〇〇と煮付ければ美味いよ」「頭と尻尾落として、三枚におろしてあげる」という買い物での対話が少なくなった時代です。

 商品が商品としてそこにあるだけでは、それが何なのかお客さんは見当がつきません。
 見当がつかない物を、お金を出して買うことはありません。

 

 そこで販売促進ツールの出番ということになりますが、それは一体なんなのでしょうか?

 煎じ詰めて言えば「商品情報の付加」です。


 「これは、ちょっとベツモノだぜ!」というアピールです。

 何か求めているお客さんに「それはこれですよ〜」と訴えかける。それが販売促進ツールです。
 映像広告、画像広告、文章広告、キャッチコピー、ポスター、POP・・・さまざまな方法が取られます。


 今回、画像で観て頂いているのは、

 「6penceシール」「余市でつくりました」シールです。


 「マッサン」に関連のある「余市町でつくりました」ということをお客さんに訴えています。

 「余市町でつくっているから、余市の皆さんよろしくお願いします!」という思いや「余市のお土産に持って行ってくださいね〜」という思いや「観光客のみなさん、余市でしか作ってない珍しいおみやげですよ〜」というようなことを伝えようとしています(笑)。

  


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 商品づくりは中身はもちろんのこと、こうした「目に見えるところ」にあるけれども「注意しなければ見えない部分」にもいろんな仕掛けがあるのですね。



 ぶら〜っと歩くショッピングの際に、さまざまな「販促ツール」をぼんやりと見てみてください。

 生産者や販売者のさまざまな思いが伝わってくるはずです。



    福原さん家のおすそわけ HPも是非、見て見てくださいね。
  http://www.fukuhara-yoichi.co.jp/index.html
 
posted by (有)マルコウ福原伸幸商店 at 05:14 | 製造過程・つれづれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2014年08月21日
Category:製造過程・つれづれ

計量という、見えざる苦悩

  スーパーなどで販売されている食品には、内容量が記載されています。
  実は、当たり前すぎて全く気づかれないお話なのですが、商品を計量することは、最も気を使う作業工程のひとつなのです。

  あの有名な福沢諭吉の「学問ノススメ」にも出てきますが、気前良く計りを気にせずお客さんに得をさせてると得られるべき利益を得ることができずに我が身を滅ぼすことになるし、お客さんを騙して表示してある量より中身を減らしたりすれば、裁判に訴えられるのを待つまでもなく評判は地に落ち一時的に利益を得られたとしてもすぐにダメになってしまうものなのです。

  当たり前過ぎて、その部分に思いを致すことはそんなに多くはないことでしょう。

  まして工業製品でも練製品でも液体でもない加工食品において、計量は実にシビアな問題であり、時間も手間も
掛かる工程なのです。

  さまざまな業種で製品が製品になるまでの隠れた苦労はたくさんあると思いますが、おそらく、商品の製造過程の話でハカリの話を第一話に持ってくるという、それだけの重要な過程であると、私は認識しています。

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posted by (有)マルコウ福原伸幸商店 at 10:16 | 製造過程・つれづれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする